めがね先生の勝手にOUTPUT

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コロナ感染予防薬のガイドライン

こんにちは。

最近あいにくの雨が続きますが、先日都内某所に桜を見に行きました。

ほぼ満開でとても綺麗でしたが、桜より人が多くて歩くのも大変でしたね。

外国の方が多く見受けられ、観光の客足ももどってきているのでしょうか?

 

本日はBMJという雑誌から、

A living WHO guideline on drugs to prevent covid-19 (updated on 2023/3/24).

 

ハイドロキシクロロキンとエバシェルドの有効性の話でした。

ハイドロキシクロロキンは抗マラリア薬として有名ですが、

樹状細胞の活性化を抑制するToll様受容体を遮断する免疫調節剤です。関節リウマチや全身性エリテマトーデスの治療に使用されています。SARS-CoV-2を含む多くのウイルスに対してin vitroで抗ウイルス効果を示すが、臨床的に有用な抗ウイルス効果はいかなるウイルス感染症に対しても示されてません。

ハイドロキシクロロキン

ちょっと字が小さいですが、上から死亡、入院、検査で確定されたコロナ、副作用の順で評価されており、副作用がハイドロキシクロロキンで多かった以外は変わりないので、非推奨との結果ですね。

エバシェルド(アストラゼネカ社)は、「ロナプリーブ」と「ゼビュディ」と同じ中和抗体ですね。日本でも2022/8/30特例承認されています。

 

追記:2023年1月26日付で、FDAは緊急使用許可を停止しており、

アメリカでは使用できなくなってましたww。

 

Tixagevimabとcilgavimabの組み合わせ(エバシェルド)で予防的に静脈内投与すると、動物モデルにおいて昔のSARS-CoV-2による感染を防ぐことができたため、この適応で臨床に使用することに関心が集まりました。しかし、現在流通している亜種の動物実験データは入手できず、in vitro中和試験から、最近の亜種(BA.2.75.2、BQ.1、BQ.1.1、XBB系統など)については、両抗体のin vitro中和性が低下しているという証拠が示されています。

 

アストラゼネカ社の資金提供でおこなった、PROVENT試験(予防効果)やTACKLE試験(治療効果)という臨床試験で効果があったということですが、

PROVENT試験は2020年11月~2021年3月と2年前の試験ですし、コロナ暴露のリスクが高い人を集めた割にはプラセボ(偽薬)発症率1%vsエバシェルド発症率0.2%という結果でした。プラセボ発症率低すぎない?(今ならもっと発症率減ってるから差はでないかも)

 

非推奨とまではされてませんが、脆弱な患者のみに限定するようにとされてます。

この介入を予防的に使用する場合は、極めて脆弱な個人、および実験(in vitro)で中和される亜系を呈する患者に限定すべきである。

 

日本でも免疫不全の方の予防として、使用されているそうです。

「ロナプリーブ」と「ゼビュディ」と同じく、中和抗体薬なので、株が変異すると効かなくなるんだろうなあとは思いますけど(開発から2年以上たってますね)。

 

結局予防薬は無いということですかね。