5/8以降の東京での対応について
東京都福祉保健局からの通達です。
前回の記事と基本的には内容は同じですが、
都内のコロナ関連の公的事業いろいろ終了します。
1.コロナ患者把握
・全数把握は終了。
・5/7までの診断例はHER-SYS入力可能。それ以降できない。
・5/8以降は定点把握疾患となる。
・死亡事例報告の保健所へ報告は5/7までで終了。
5類なので全数把握終了です。
医療機関からの報告の必要はなしとなります。
2.応召義務、疫学調査、行動制限・風邪症状やコロナ疑いで診療拒否は「正当な事由」にあたらない。
・施設における感染拡大防止を目的とする調査を必要時おこなう。
・感染症法に基づく行動制限・外出自粛は求めることができなくなる。
・以下の考え方に基づき個人が判断する。
発症5日経過かつ解熱・症状軽快から24時間経過するまで外出控える
発症後10日経過するまで、マスク着用、周囲にうつさないよう配慮する。
・濃厚接触者の法律に基づく外出自粛はもとめられない。
部屋をわけ、接触する家族を限定する。
患者発症日を0日とし、5日目まで体調変化に注意。7日まで発症可能性あり。
・就業制限:法律に基づく制限は求められない。事業者において考慮する。
応召義務(患者ではなく、国に対する義務です)違反という言葉は使われていませんが、診察拒否する正当な理由としては、5類になったので認められないということです。
法律に基づく行動制限はできませんので、個人が判断しましょうとのことです。
(大半の方は、熱がおさまったら外出するし、マスクもしないと思います。)
事業者は出勤するか休ませるか、判断が難しそうです。
3.都民向け窓口
コールセンターは5/7で終了。
発熱相談センターは5/8で終了。
陽性者登録センターは5/7で終了。
自宅療養者フォローアップセンターは5/8で終了。
うちさぽ東京は5/8で終了。
東京都新型コロナ相談センター 5/8開設
宿泊施設
新宿区に1か所妊婦(36週未満)、独居等高齢者(65以上で独居)対象。
高齢者等医療支援型施設及び酸素ステーションは継続。
東京都新型コロナ相談センターに統合されます。
うちさぽ東京と同じ電話番号です。
宿泊施設は1か所残るようです。
現在のホテル療養利用者は若い人が多く、妊婦と独居高齢者だと利用者あまりいないようなので1か所で足りるのでしょう。
4.PCR検査公費負担
抗原検査キット配布。
PCR無料化事業終了。
薬は公費支援対象。
入院は自己負担限度額から2万円減額。
PCR無料センターもようやく終了です。
高齢者施設での行政検査は続けるようです。
(有効性が疑問な)薬や、中和抗体は無料継続です。
入院も最高自己限度額から、多少減額あるようです。
最後に、最近のニュースから
日本環境感染学会が4月28日、移行後の医療機関での対応についての考え方を公表した。「社会全体が緩和の方向に向かっても、医療機関はある程度の感染対策は継続せざるを得ない」とし、感染した医療従事者の療養期間の短縮は「推奨できない」と明記した。濃厚接触者の休業も検討するよう求めた。吉田正樹理事長は「医療機関の中で(療養期間を)5日間とするのは難しいと思う。ただ、きっちり(日数を)決めると医療機関によっては人が回らないということもあり、各医療機関で決めることになる。検査も併用するのがいいと考えている」と呼びかけている
そうはいっても・・。
法律上は5類になって規制なくなるんだから、インフルと同じではダメ?
感染症法上の位置づけ変更後の療養に関するQ&A(5月8日以降の取扱)
最近、暖かい日が続きます。
厚労省から連休明けのコロナの取り扱いについて発表がありました。
Q1:新型コロナウイルス感染症は、他の人にうつすリスクはどれくらいありますか?
新型コロナウイルス感染症では、鼻やのどからのウイルスの排出期間の長さに個人差がありますが、発症2日前から発症後7~10日間は感染性のウイルスを排出しているといわれています。
発症後3日間は、感染性のウイルスの平均的な排出量が非常に多く、5日間経過後は大きく減少することから、特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことに注意してください。
また、排出されるウイルス量は発熱やせきなどの症状が軽快するとともに減少しますが、 症状軽快後も一定期間ウイルスを排出するといわれています。
PCR40サイクルとか、ほとんど存在しないレベルのウイルス検出して大騒ぎしてたのに。5月8日になったら、ウイルスの排出量が減るから、ウイルス排出してようが何でもいいそうです。
令和5年5月8日以降、新型コロナ患者は、法律に基づく外出自粛は求められません。
外出を控えるかどうかは、個人の判断に委ねられます。
その際、以下の情報を参考にしてください。
周囲の方や事業者におかれても、個人の主体的な判断が尊重されるよう、ご配慮をお願いします。 各医療機関や高齢者施設等においては、以下の情報を参考に、新型コロナウイルスに罹患した従事者の就業制限を考慮してください。
なお、高齢者施設等については、重症化リスクを有する高齢者が多く生活することも考慮してください。
丸投げです。
医療従事者だって、日常生活を営んでいるわけであり、周囲の人々が何の制限もせずに暮らしている中、通勤、買い物などで暴露する機会はあるわけです。
今後、一般の方はのどが痛いとか、咳が出る程度では検査しないでしょう。
医療従事者は、どの症状で検査するとか、(強制ではないのに)就業制限はどの程度するとか、混乱しそうです。
クラスター出した医療機関は、やっぱりマスコミに叩かれるのかなあ。
Q2:新型コロナウイルス感染症にかかったら、どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?
(1)外出を控えることが推奨される期間
・特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことから、発症日を0日目として 5日間は外出を控えること、 かつ、5日目に症状が続いていた場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快して24時間程度が経過するまでは、外出を控え様子を見ること が推奨されます。症状が重い場合は、医師に相談してください。
(2)周りの方への配慮 10日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があることから、不織布マスクを着用したり、高齢者等ハイリスク者と接触は控える等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
発症後10日を過ぎても咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、マスクの着用など咳エチケットを心がけましょう。
インフルエンザなどと同じ扱いです。
5類なので強制力ありません。
(学校保健安全法では出席停止の規定はありますが。)
なので、この推奨は守らなくてもおとがめなしです。
Q3:5月8日以降の「濃厚接触者」の取扱はどのようになりますか?
令和5年5月8日以降は、5類感染症に移行することから、一般に保健所から 新型コロナ患者の「濃厚接触者」として特定されることはありません。また、 「濃厚接触者」として法律に基づく外出自粛は求められません。
濃厚接触者もなくなります。
「大切な人を守るためにワクチンをうつ」という理由がなくなりました。
Q4:家族が新型コロナウイルス感染症にかかったら、どうしたらよいですか?
ご家族、同居されている方が新型コロナウイルス感染症にかかったら、可能であれば部屋 を分け、感染されたご家族のお世話はできるだけ限られた方で行うことなどに注意してください。
部屋を分けるなんで無理です。そんな広い家ばかりではないでしょう。
現在はまだホテル療養やってますが(ガラガラです)、今後どうするのかな?
まとめると、
「コロナはただの風邪」
(どっかで聞いたような)
緊急承認された薬やワクチンの取扱はどうなるのでしょうか?
製薬会社以外の研究資金で、有効性と安全性の調査をしてほしいものです。
最新のコロナワクチン接種スケジュール
新学期も始まり、学生さんが多くなったせいか本日は電車が混み合っていました。
目線にこまり、ドアの上に流れている広告を見ていると、
「ワクチンについて、考えてみませんか?」(ファイザー)というのを見かけました。
いまさらかいっ!と頭の中で突っ込みました。
WHOが3回目までで非推奨、と言っていたワクチンですが、
アメリカではどうなったのか調べてみましょう。
CDCより
Stay Up to Date with COVID-19 Vaccines Including Boosters.
Updated Apr. 6, 2023
更新された(updated)ブースターが推奨されます。
CDC は、生後 6 か月以上のすべての人に最新の COVID-19 ワクチンを 1 回接種することを推奨しています。
Updated(更新)ブースターは、COVID-19 を引き起こす元のウイルスと、オミクロンの亜種 BA.4 および BA.5 の両方から保護するため、「updated」と呼ばれます。 ファイザーとモデルナの 2 つの COVID-19 ワクチン メーカーは、最新の COVID-19 ブースターを開発しました。更新ブースターを受けている場合は、現在最新の状態です。 別の更新ブースター用量を取得することは推奨されていません。
CDCでも3回接種(1,2回目+updatedブースター)推奨です。
Updated ブースターというのは、
最新の2価ワクチン(BA.4とBA.5対応)のことですね。
これを追加で1回うけたら、次のブースターはいらないとのことです。
厚労省のHPでは2価ワクチンはBA.1でも効果あまりかわりないので、
どっちでもいいことになってるみたいです。
以前のブースターは、COVID-19 を引き起こす元のウイルスから保護するように設計されていたため、「original」と呼ばれています。 また、Omicron に対する保護も提供しますが、updatedブースターほどではありません。
Original は武漢型ワクチンですね。
当然オミクロンには2価ワクチンほど効かないようです。
・COVID-19 ワクチンのプライマリーシリーズを完了し、CDC が推奨する最新のブースター用量を取得すると、COVID-19 ワクチンを最新の状態に保つことができます。
・プライマリーシリーズを完了しているが、まだブースターの資格がない場合も、最新の状態にあると見なされます。
・推奨される COVID-19 ワクチンの接種をすべて受けた後に COVID-19 に感染した場合も、最新の状態にあると見なされます。 再ワクチン接種や追加のブースターを受け取る必要はありません。
プライマリーシリーズは、1,2回目接種で、
基本は2価ワクチンうつと完了だそうです。
ブースターうてなかったり、
ブースター(3回目)まで終わったら、
以後はワクチン接種後コロナ感染した場合も含めて、追加接種なしでOKだそうです。
COVID-19 に感染していた、または現在感染している場合のワクチン接種
最近 COVID-19 に感染した場合でも、ワクチンの最新情報を入手する必要がありますが、次のワクチン接種 (初回接種または追加接種) を次の時点から 3 か月遅らせることを検討してください。
3回接種がまだの場合、ワクチンうつなら3カ月あけましょうとのことです。
(感染状況や、個人のリスクにより短縮)
次が、
ちょっとややこしいですが、
各種ワクチンでの3回目までのスケジュールです。
Pfizer(P)
6カ月-4歳
初回 P 、2回目 3-8週あけて P 、3回目 8週あけて updated P(uP)
5-11歳
1,2回目 同上、 3回目 2カ月あける 5歳 は uP, 6歳- uPかuM
12-17歳
1,2回目 同上、 3回目 2カ月あける uPかuM
18歳- 同上
Moderna(M)
6カ月-5歳
初回 M 、2回目 4-8週あけて M、 3回目 2月あけて uM 、5歳のみuPかuM
6-17歳
1,2回目 同上、 3回目 2月あけて uPかuM
18歳-
同上
Novavax(N)
12-17歳 初回 N 、 2回目 3-8週あけて N 、3回目 2月あけて uPかuM
18歳- 初回 N、 2回目 4-8週あけて N 、3回目 2月あけて uPかuM
CDC は、最初の一連の用量で製品を混合することを推奨していません。 Pfizer-BioNTech、Moderna、または Novavax をプライマリシリーズの最初の投与で受けた場合は、その後のすべてのプライマリシリーズの投与で同じ製品を入手する必要があります。
1、2回目のワクチンはミックスするなというのが特徴です。
日本では、「原則」同じものを~、をなってますが禁止されてませんね。
これまで受けた人も、mixした人結構いませんか?
(いまoriginalモデルナは日本ではつかってないようです)
ブースターも子供はmixできません。
Pは5歳までmixしない、Mは4歳までmixしない。(それ以外は両方可。)
この違いはどこからきてるのか?
もう調べるの面倒なので放置
・1 回目と 2 回目の初回接種の間隔を長くすると、ワクチンによる防御力が高まり、心筋炎や心膜炎のまれなリスクをさらに最小限に抑えることができます。
・市中感染のレベルが高いために保護が必要な人、65 歳以上の人、または COVID-19 で重症化する可能性が高い人は、次の間隔で 2 回目の接種を受ける必要があります。
P3週、M4週、N3週
ワクチンの効果を上げる+心筋炎のリスクのため、
1-2回目の間隔は8週が良くて、
リスク高い時期、人は3-4週が良いそうです。
厚労省は、まだ3週間隔を推してますね。
いいのかなあ。
オミクロン対応2価ワクチンの話
こんにちは。
桜もとうとう散ってきました。
電車も込み合ってきた今日この頃ですが、
今回は、前回でもふれたNEJMに掲載された論文の話です。
Bivalent Covid-19 Vaccines — A Cautionary Tale
February 9, 2023 N Engl J Med.
2022 年 6 月 28 日、Pfizer-BioNTech と Moderna の研究者は、自社の二価ワクチンに関するデータを FDA のワクチンおよび関連生物製品諮問委員会 (私はそのメンバーです) に提出しました。 結果はがっかりするものでした。 二価ブースターは、BA.1 に対する中和抗体のレベルを、一価ブースターで達成されたレベルの 1.5 から 1.75 倍に上げるに過ぎませんでした。 両社のワクチンに関するこれまでの経験から、この違いが臨床的に重要である可能性は低いことが示唆されました。
2価ワクチンの承認の経緯を関係者がまとめています。
当初のデータでは、武漢株対応ワクチンと比較して、
中和抗体を上昇させる効果はさほどではなく、
臨床的にはあまり意味がないレベルだったそうです。
その後、一連の矢継ぎ早の政策決定が続いた。
諮問委員会の会議の翌日である 2022 年 6 月 29 日、バイデン政権は、BA.4 および BA.5 mRNA を含むファイザーとバイオンテックの 2 価ワクチンを 1 億 500 万回分購入することに同意しました。
1 か月後の 2022 年 7 月 29 日、政権はモデルナの 2 価ワクチンを 6,600 万回分購入することに同意し、秋と冬に両方のワクチンを提供する予定でした。
2022 年 9 月 1 日、FDA は 1 価ワクチン ブースターの緊急使用許可を撤回し、
CDC は 12 歳以上のすべての人に 2 価ワクチン ブースターを推奨しました。
2022 年 10 月 12 日に、CDC はこの推奨を拡張して、5 歳以上のすべての人を含めるようにしました。
その時点で、免疫原性データを含むヒトからのデータは、BA.4 および BA.5 から保護するための一価および二価ワクチンの相対的な能力を比較するために利用できませんでした。
政治主導でどんどん、導入がきまり、
FDAやCDCが推奨するようになりましたが、
人での十分な臨床データはなかったようです。
2022 年 10 月 24 日、David Ho らは、1 価または 2 価のブースター投与を受けた後の BA.4 および BA.5 に対する中和抗体のレベルを調べた研究の結果を発表しました。
彼らは、BA.4 と BA.5 を含む「SARS-CoV-2 バリアントの中和に、2 つのグループ間で有意差がない」ことを発見しました.
3 1 日後、Dan Barouch と同僚は同様の研究結果を発表し、 「BA.5 [中和抗体] の力価は、一価および二価の mRNA ブースターに続いて同等」とのことでした。
Barouch と同僚はまた、一価ブースター群の参加者と二価ブースター群の参加者との間で、CD4+ または CD8+ T 細胞応答に明らかな違いは見られなかったと報告しました。
昨年10月の段階での臨床データで、
従来の武漢型ワクチンと、2価ワクチンでは
免疫に関する作用に違いがなかったようです。
武漢型はオミクロンに効果が低いはずですので、
2価ワクチンも効かないということになりますね。
2価ワクチンを使用してBA.4およびBA.5中和抗体を大幅に増加させる戦略が失敗したのはなぜでしょう?
最も可能性の高い説明は刷り込み(imprinting)です。
2価ワクチンで免疫された人々の免疫システムは、以前にワクチン接種を受けたことがあり、SARS-CoV-2の祖先株に反応するように準備されていました.
したがって、それらは、BA.4 および BA.5 上の新しいエピトープではなく、BA.4 および BA.5 と祖先株によって共有されるエピトープに応答した可能性があります。
以前に武漢株をうっていると、武漢株のスパイク蛋白に免疫系が反応するので、
オミクロンが有する、変異したスパイク蛋白を2価ワクチンのmRNAが作っても、
武漢型とほぼ構造が同じなので、免疫系は武漢型として反応してしまうようです。
(これって結構大変なこと言ってませんでしょうか?)
武漢型+オミクロンではなく、
オミクロンのみ対応のワクチンを使用すべきでは?と筆者は考察してましたが、
通常は、武漢型 VS オミクロンで治験をするはずなので、
おそらく差がでなかったので、この様な形になったのかなあ、と妄想しています。
2022 年 11 月 22 日、CDC は、ブースター投与の受領後 2 か月以内に症候性感染を予防するための BA.4 および BA.5 mRNA ワクチンの有効性に関するデータを公開しました。 2 ~ 3 か月前に 1 価ワクチンを接種した人では、2 価ブースターの投与に関連する追加の保護は 28 ~ 31% の範囲でした。
昨年11月にCDCはデータ公開しており、
2価ワクチンを追加接種しても30%前後の効果しかなかったようです。
WHOは「安心で効果がある、けど費用を考えて~」とか言ってましたが、
効果あまりないですね。
追加免疫投与はおそらく、重篤な疾患に対する保護を必要とする可能性が最も高い人々、特に高齢者、 重篤な病気のリスクが高い人、免疫力が低下している人が対象となります。
数か月後には消失する可能性のある株の mRNA を含むワクチンを接種することで、健康な若者の症候性感染症をすべて予防しようとするのをやめるべきだと私は信じています。
筆者は、ワクチンに批判的だと思われないように、事実のみを書いていましたが、
最後に、「若者にはやめるべき」で締めくくられてました。
健康で若い医療従事者や妊婦さんに強制(ではないらしいが)するのは止めるべきだと思いますね。
WHO 健康な成人のワクチン追加接種、2回以降「推奨せず」
こんにちは。
先日、小田原城まで花見にいってきました。
ほぼ満開でしたね。
小田原城にも上ってきました。
非常に綺麗な景色でした。
3/28WHOの予防接種に関する戦略諮問委員会(SAGE)が指針を改定しました。
健康な成人には2回目以降の追加接種を推奨しないとのことです。
日本だけ2回以降の追加接種を、ずばぬけてしてるんですけどどうしてくれるの?
以下原文から引用します。
COVID-19 ワクチン接種の 3 つの優先使用グループ (高、中、低) が概説されています。 これらの優先グループは、主に重篤な疾患と死亡のリスクに基づいており、ワクチンの性能、費用対効果、プログラム上の要因、およびコミュニティの受け入れを考慮しています。
優先度の高いグループには高齢者が含まれます。他には、 重篤な併存疾患(糖尿病や心臓病など)を有する若年成人。 生後 6 か月以上の子供を含む、免疫不全状態の人 (HIV 感染者や移植レシピエントなど)、妊娠中の人、そして最前線の医療従事者が含まれます。
優先度の高いグループの場合、SAGE は、年齢や免疫不全状態などの要因に応じて、最後の投与から 6 か月または 12 か月後に追加のブースターを推奨しています。 すべての COVID-19 ワクチンの推奨は期間限定であり、現在の疫学的シナリオにのみ適用されるため、追加のブースターの推奨は、継続的な毎年の COVID-19 ワクチン ブースターと見なされるべきではありません。
えっと、重症化しづらくなって集団免疫云々とかの話で、
健康な若い人に非推奨なんですよね?
医療従事者は健康で若くても、ずっとうたれるの?
インフルエンザとかは毎年流行するからワクチンうってるんだけど、
新型コロナだけはなぜか期間限定なの?
(そもそも旧型?コロナは一般的な風邪の原因ウイルスの一つです。)
優先度が中程度のグループには、併存疾患のない健康な成人 (通常は 50 ~ 60 歳未満) と、併存疾患のある子供と青年が含まれます。 SAGE は、優先度が中程度のグループに対して、一次シリーズと最初のブースター投与を推奨しています。 追加のブースターはこのグループにとって安全ですが、公衆衛生上のリターンが比較的低いことを考えると、SAGE は定期的にそれらを推奨していません。
えっと、リターン少ないとか言っちゃった。
副作用我慢して、何回もうってた人どうするの?
そもそもそんなこと言うならこれからうつ人は、1~3回目もリターン少なくない?
優先度の低いグループには、生後 6 か月から 17 歳までの健康な子供と青年が含まれます。 初回およびブースター用量は、小児および青年にとって安全で効果的です。 ただし、病気の負担が少ないことを考慮して、SAGEは、この年齢層のワクチン接種を検討している国に、病気の負担、費用対効果、その他の健康またはプログラム上の優先事項と機会費用などの状況要因に基づいて決定を下すよう促します.
得られる効果とお金を考えて判断してね、だそうです。
アフリカでは無料でワクチンたくさん供給されても、うってないみたいですけど。
”アフリカで余るコロナワクチン、「接種にそっぽ」の訳”2022年5月21日 REURTERS
健康な子供や青年への予防接種による公衆衛生への影響は、ロタウイルス、麻疹、肺炎球菌結合ワクチンなどの子供向けの伝統的な必須ワクチンや、高優先度および中優先度グループ向けの COVID-19 ワクチンの確立された利点よりもはるかに低いものです。 免疫不全状態と併存疾患のある子供は、重度の COVID-19 のリスクが高いため、それぞれ優先度の高いグループと中程度のグループに含まれています。
ロタウイルス、麻疹、肺炎球菌ワクチンより、コロナワクチン予防接種は利点がはるかに少ないそうです WWWWW。
全体的には低いものの、6 か月未満の乳児における重度の COVID-19 の負担は、6 か月から 5 歳までの子供よりも依然として高いです。 妊娠中の人にワクチンを接種することは、最後の接種から 6 か月以上経過している場合は追加接種を含め、妊婦と胎児の両方を保護すると同時に、乳児が COVID-19 で入院する可能性を減らすのに役立ちます。
めったにならない乳児のCOVID19重症化予防のため、長期的な副作用が不明ものを今後も全例に推奨するそうです。
最近では、NEJMなどにも、コロナワクチンの不都合な話が載るようになってきました。今後どんどん増えることでしょう。
長くなったので、紹介は次回にします。
コロナ感染予防薬のガイドライン
こんにちは。
最近あいにくの雨が続きますが、先日都内某所に桜を見に行きました。
ほぼ満開でとても綺麗でしたが、桜より人が多くて歩くのも大変でしたね。
外国の方が多く見受けられ、観光の客足ももどってきているのでしょうか?
本日はBMJという雑誌から、
A living WHO guideline on drugs to prevent covid-19 (updated on 2023/3/24).
ハイドロキシクロロキンとエバシェルドの有効性の話でした。
ハイドロキシクロロキンは抗マラリア薬として有名ですが、
樹状細胞の活性化を抑制するToll様受容体を遮断する免疫調節剤です。関節リウマチや全身性エリテマトーデスの治療に使用されています。SARS-CoV-2を含む多くのウイルスに対してin vitroで抗ウイルス効果を示すが、臨床的に有用な抗ウイルス効果はいかなるウイルス感染症に対しても示されてません。
ちょっと字が小さいですが、上から死亡、入院、検査で確定されたコロナ、副作用の順で評価されており、副作用がハイドロキシクロロキンで多かった以外は変わりないので、非推奨との結果ですね。
エバシェルド(アストラゼネカ社)は、「ロナプリーブ」と「ゼビュディ」と同じ中和抗体ですね。日本でも2022/8/30特例承認されています。
追記:2023年1月26日付で、FDAは緊急使用許可を停止しており、
アメリカでは使用できなくなってましたww。
Tixagevimabとcilgavimabの組み合わせ(エバシェルド)で予防的に静脈内投与すると、動物モデルにおいて昔のSARS-CoV-2による感染を防ぐことができたため、この適応で臨床に使用することに関心が集まりました。しかし、現在流通している亜種の動物実験データは入手できず、in vitro中和試験から、最近の亜種(BA.2.75.2、BQ.1、BQ.1.1、XBB系統など)については、両抗体のin vitro中和性が低下しているという証拠が示されています。
アストラゼネカ社の資金提供でおこなった、PROVENT試験(予防効果)やTACKLE試験(治療効果)という臨床試験で効果があったということですが、
PROVENT試験は2020年11月~2021年3月と2年前の試験ですし、コロナ暴露のリスクが高い人を集めた割にはプラセボ(偽薬)発症率1%vsエバシェルド発症率0.2%という結果でした。プラセボ発症率低すぎない?(今ならもっと発症率減ってるから差はでないかも)
非推奨とまではされてませんが、脆弱な患者のみに限定するようにとされてます。
この介入を予防的に使用する場合は、極めて脆弱な個人、および実験(in vitro)で中和される亜系を呈する患者に限定すべきである。
日本でも免疫不全の方の予防として、使用されているそうです。
「ロナプリーブ」と「ゼビュディ」と同じく、中和抗体薬なので、株が変異すると効かなくなるんだろうなあとは思いますけど(開発から2年以上たってますね)。
結局予防薬は無いということですかね。
mRNAワクチンの作り方
こんにちは
昨日は夏日でしたが、今日は朝から雨で肌寒いですね。
今回は、mRNAワクチンの作り方を調べてみましょう。
日本語でググってもでてこないので、
Thermo Fisher Scientificから
Key steps in the mRNA manufacturing processです。
分子生物学を学んだ人にとっては、よく使用していた手法ですが、
そうでないとちょっと難しいかも。
Step 1. 標的遺伝子設計とプラスミド作製
標的配列を選択、最適化、合成し、DNAプラスミドに挿入して、mRNA治療薬やワクチンの製造に使用されるmRNA合成の鋳型として使用することになります。
標的配列は治療の目標とする配列で、スパイク蛋白の配列などですね。
プラスミドは、効きなれない単語かもしれませんが、
wikipediaによると
プラスミドは、染色体DNAから物理的に分離している、独立して複製することができる細胞内の小さな染色体外DNA分子である。一般的には、小さな環状の二本鎖DNA分子として、細菌や古細菌の細胞質内で広く見られる。
もともとのDNA以外に存在する(できる)小さなDNAで、
薬剤耐性遺伝子がのっていると、
耐性菌を持っている患者さんを触ってから、別の患者さんを触ると
耐性菌を介してプラスミドが伝播したりするので厄介です。
ただ、大腸菌に入れてしまえば、
大量に標的DNAを得るには便利です。
STEP 2. プラスミド精製・直線化
DNAプラスミドは、培養された細菌を使用して十分な量が生産されます。得られたプラスミド生成物は精製され、制限酵素で処理されてmRNA合成用のプラスミドDNAテンプレート(鋳型)が直線化されます。
いっぱい大腸菌が増えたら、プラスミドDNAだけを取り出し精製します。
制限酵素というのは、DNAの特定の配列の場所で切断するハサミのようなものです。
STEP 3. mRNAの合成
線状化されたDNAテンプレート、ヌクレオチド、および酵素を使用して、mRNAを合成します。得られたmRNAは、必要に応じて、タンパク質翻訳の促進、安定性の向上、免疫原性の低下などの修飾を行うことができます。
線状化したプラスミドDNAに、RNAの材料や、酵素を使用してmRNAをつくります。
mRNAは壊れやすく、mRNAワクチンでは壊れにくくなる操作(修飾)をしています。
Step 4.mRNAの精製
最終的なmRNA生成物は、クロマトグラフィーやろ過技術等を使用して単離・精製されます。精製後、mRNAは純度および望ましくない免疫刺激性RNA副産物の存在について検査されます。
mRNAだけ取り出したいので、分離精製します。
Step 5.mRNAの解析
精製されたmRNAは、配列の確認やmRNAの修飾を評価するために、分子レベルで評価が行われます。mRNAワクチンや治療用製剤の脂質ナノ粒子(LNP)成分も、脂質の組成と純度について分析されます。両成分の正確な分子組成を理解することは、最終的な医薬品が厳格な品質および規制基準に適合することを保証するために重要です。
mRNAが、予定された全長より短いと、STOPコドン(タンパク質をここまで来たら作るの止める命令がある部位)がないmRNAも含まれる可能性もあります。ノンストップmRNA(というそうです)は通常の体内でもおこりうることですが、除去機構があるそうです。通常のmRNAは壊れにくい修飾はされてませんけど。
STEP6.処方、充填、仕上げ
mRNA治療薬やワクチンは、mRNAとLNPなど輸送システムを複合化することで製剤化されます。製剤化されたmRNA含有製剤は、最終的なワクチンや治療薬に加工され、滅菌、無菌的に充填され、包装されます。充填されたパッケージは最終テストを受け、超低温フリーザーに装填され、保管・配送されます。
mRNAだけだと細胞に入らないので脂質ナノ粒子(LNP)という、非常に小さな脂質を中心とした物質でできている粒子に入れて製剤化しています。
実際に流通しているmRNAワクチンが上記工程そのままかはわかりませんが、
クオリティを保つのはかなり大変だと思います。
実験室レベルなら、チェック可能でしょうけれども、
何億本も大量生産するにあたっては、(過去に異物混入などもありましたが、)
製剤に断片化したmRNAや、プラスミドが混入する可能性ってないんでしょうかね?
ただの妄想なので、聞き流してくださいね。