Q30. 片頭痛について教えて その③治療
はい、こんにちは。
長くなりましたがその③です。
今回も引き続き、Cleveland ClinicからMigraine Headachesです。
片頭痛はどのように治療するのですか？
片頭痛は慢性的なものです。治すことはできませんが、管理し改善することは可能です。薬を使った治療法には、主に頓用薬と予防薬の2つがあります。
頓服薬は片頭痛の前兆があったときに使用するのが最も効果的です。
痛みが軽いうちに服用してください。頭痛のプロセスを止めることで、痛み、吐き気、光線過敏症などの片頭痛の症状を抑えたり、軽減したりします。血管を収縮させて正常な状態に戻し、ズキズキする痛みを和らげる作用のある薬もあります。
頭痛がひどく、月に4回以上起こり、通常の活動に大きな支障をきたしている場合には、予防薬が処方されることがあります。予防薬は、頭痛の頻度と重症度を下げます。薬は通常、片頭痛の予防のために、毎日定期的に服用します。
市販の鎮痛薬は、軽度から中等度の片頭痛の一部の人に有効です。
残念ながら簡単には治らないので上手くつきあう必要があるとのこと。
痛み止めは、市販薬だとロキソニンS、イブ、バファリンなどがあります。
ずっとのんでると、頭痛の原因になってしまうようなのでひどいときは受診したほうがいいです。
片頭痛の薬として食品医薬品局から認可されている市販薬は、以下の3つです。
Excedrin Migraine（エキセドリン片頭）
Advil Migraine（アドビル片頭痛）
Motrin Migraine Pain（モトリン片頭痛）
エキセドリンは日本でもあるようです。ちなみにエキセドリンで調べてみると、ExtraStrength, Migraine, Tension Headache, PM Headacheの４種類もありました。（少し含まれる鎮痛剤の組み合わせが違うけどさほど違いなさそう。）海外では、受診すると高いので市販薬がよく売れるからでしょうか。
使いすぎると、鎮痛剤の副作用で頭痛が起きたり、依存性の問題が生じたりすることがあります。もし、週に2～3回以上、市販の痛み止めを服用している場合は、医療機関にその旨を報告してください。
病院からの片頭痛の処方薬には、以下のようなものがあります。
①トリプタン系薬剤：頓服薬
・スマトリプタン（イミグラン他）
・ナラトリプタン（アマージ）
②カルシウム拮抗薬 （ミグシス）
③ヒト化抗CGRP（カルシトニン遺伝子関連ペプチド）モノクローナル抗体
Fremanezumab（アジョビ）
Galcanezumab （エムガルティ）
Eptinezumab
④CGRP受容体抗体
Erenumab (アイモビーグ）
かっこ内は日本での商品名です。CGRP抗体薬は皮下注射で使用、かつ高価です。
Eptinezumabは静脈注射ですがまだ日本では承認されてないようです。
⑤ベータ遮断薬
プロプラノロール(インデラル）
⑥抗うつ薬
アミトリプチリン(トリプタノール）
⑦抗けいれん薬
トピラマート(トピナ）
以下、長くなるので割愛します。
また、ビタミン、ミネラル、またはハーブを推奨するかもしれません。
フィーバーフュー(ナツシロギク）
ビタミンB2はレバーに多いですが、のり、納豆にもふくまれます。
フィーバーフューは聞き慣れないのですが、サプリでも売ってます。
（厚労省はお勧めしてないみたいですが）
家庭療法としての片頭痛の代替管理方法
・暗く静かで涼しい部屋で安静にする。
・冷湿布や手ぬぐいを額や首の後ろに貼る（温めるのが好きな人もいます）。
・頭皮をマッサージする。
・ヨガをする。
・円を描くようにこめかみを圧迫する。
・落ち着いた状態を保つ。瞑想する。
暗い部屋でおとなしく寝る、というのは取りあえず一般的かと思います。
バイオフィードバック
バイオフィードバックとは、頭に装着する特殊な機器を使用することです。
この機器は、身体の緊張を測定し、ストレスをコントロールする必要があるときに警告を発し、ストレスに関連する身体的プロセスを変化させるものです。自分で緊張を感知する方法を学ぶので、永遠に機器を使う必要はありません。この装置は、大人だけでなく子供にも使えます。
あまり聞いたことがないので調べてみましたが、アマゾンではいびき防止装置しかでてきません。
「測定機器を用いて心拍数、血圧、筋肉の緊張などについての情報を測定し、それを本人が意識できる形で提示します。こうした身体的機能の変化がなぜ起こるのかを理解し、どうすればコントロールできるかを習得できます」というコンセプトのようです。ちょっと難しい。
日本バイオフィード学会なんてのもありました。
片頭痛は予防できる？
片頭痛を治す方法はありませんが、以下の方法を実践することで、頭痛の頻度を減らしたり、頭痛の程度をコントロールすることは可能です。
・片頭痛日記をつける。
・夜、7時間から9時間の睡眠をとる。
・規則正しい間隔で食事をする。食事を抜かない。水をたくさん飲む。
・定期的に運動し、健康的な体重を維持する。
・瞑想、ヨガ、リラクゼーション・トレーニング、マインドフル呼吸など、ストレスをコントロールするテクニックを身につける。
・処方薬を服用する。予防のための薬には、抗うつ薬、抗けいれん薬、CGRP抗体、降圧薬、などがあります。
・片頭痛が月経周期と関係していると思われる場合 は、ホルモン療法について相談してみま しょう。
・経皮的眼窩上神経刺激装置。
この電池式の電気刺激装置は、片頭痛を予防するために食品医薬品局によって承認されています。ヘッドバンドのように、または腕に装着するこの装置は、電荷を放出します。電荷は、片頭痛の痛みの一部を伝達する神経を刺激します。
・セラピストによるカウンセリングを受け、ストレスをコントロールする。
経皮的眼窩上神経刺激装置ってなんですか？調べるとCefalyという器械が海外で打ってるみたいです。頭に貼るシックスパッドみたいなもんでしょうか？装着時の画像がシュールでした。
片頭痛はどれくらいの期間続く？
次のような場合は、すぐに救急外来を受診してください。
・人生で最悪の頭痛を経験している。
・会話困難、平衡感覚障害、視力障害、精神錯乱、発作、しびれや痛みなど、これまでに経験したことのない神経学的症状がある場合。
・頭痛が突然起こる。
・頭を打った後、頭痛がする。
次のような場合は、医療機関を受診してください。
・頭痛の回数や程度が増える、または頭痛のパターンが変化する。
・薬が効かなくなった、または新しい副作用や別の副作用が出た場合。
医療従事者と協力して、片頭痛があなたの人生を支配しないようにしましょう。
これまでに無い程痛かったり、神経症状があれば脳出血などの可能性もあります。
むりしないでひどくなったら受診しましょう。
