めがね先生の勝手にOUTPUT

いろいろな事に勝手に返答します

Q23. プリオンってなに。

はい、こんにちは。

早速調べてみましょう。

 

6/15 yahooニュースで以下の記事がのってました。

 

解剖実習遺体からプリオン 世界初、感染の危険 長崎大

https://news.yahoo.co.jp/articles/28f4cb51fb624d73224517a6e3e495b1176b421f

 

医学部で行う解剖実習で使うために提供された遺体を調べた結果、1体からプリオン病の病原体となる異常型プリオンたんぱく質が検出されたと発表した。

同大の中垣助教は「解剖に不慣れな学生らが細心の注意を払う必要があることが改めて示された」と話している。

ちょっと待って。細心の注意を払っても駄目じゃ無いですかね。
プリオンってホルマリンでも不活化しないし。
私もかなり昔に解剖実習させて頂きました。手袋は使ってましたが、何回か使い回してました。
その前は、素手でやってた時期もあったって聞いた記憶があります。wwww
長崎大のホームページに詳細が載ってます。引用させて頂きます。

 

https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/science/science274.html

【背景】

プリオン病の原因となる病原体はプリオン」とよばれる感染性タンパク質からなります。

 

狂牛病(ウシのプリオン病)のように食肉を介して感染した例や、

医療(硬膜移植手術など)によって感染した例が過去に報告されています。

 

一方、多くの患者さんは高齢で発症し、急速に認知症が進行する孤発性プリオンと呼ばれるタイプで、加齢に伴って起こる自然発生的な疾患です。

1年間に人口100万人の都市で約2人が発症する極めて稀な疾患ですが、100%致死性であり、難病の中の難病と言われています。

 

実験動物を用いた研究では、発症前からプリオンが脳組織に蓄積していて感染性も有することがわかっていますが、

ヒトでは発症前に他の病気で亡くなった方や発症しても典型的でなく診断が困難な例などが、どの程度存在するか正確にはわかっていません。

 

またプリオンは一般的な滅菌法では不活化されず、ホルマリンにも抵抗性です。

 

このような理由から、御遺体にプリオン病未診断例が含まれていた場合、解剖実習に臨む学生やスタッフがプリオン感染の危険にさらされることになります。

 

【結果】

2020年度は36体、2021年度は39体の御遺体のプリオンのスクリーニング検査を行いました。

2020年度は全て陰性でしたが、2021年度は1例で陽性反応が認められました。

2011年に長崎大で発明した検出方法を用いて、
ホルマリン処理された献体からプリオン病が検出されたのが新規性がある点です。
全国で年間約3000体の御遺体が実習に使用されていると考えられるそうです。
元論文(letter)読んでみましょう。

 

Detection of Prions in a Cadaver for Anatomical Practice. N Engl J Med. in press.

 

陽性の方は、8年前に92歳で亡くなり、老人ホームに入居していたが、病歴や家族歴を知ることのできる遺族はいなかった。

日本の70歳以上の高齢者では、年間100万人あたり6人の発生率で、高齢者に限ると少しだけ高い。

異常プリオンタンパク質が発症のずっと前から中枢神経系に蓄積していることが動物実験で明らかになっていることから、

プリオンキャリア」から他の人への異所性感染の危険性も考えられる。

・死体提供者から固定前に組織標本や血液を採取することが有利である可能性がある。

ことが書かれていました。

100万人に2人(6人)しか発症しないはずなんですが、
実は急に発症する認知症の中に結構プリオン病があったりして。
脳組織を調べる必要があるみたいなので検証は難しそうです。
今更うつるかもって言われても。
ところで、全く知識が無いのですが、8年間もホルマリンで献体として保存される事ってよくあるんでしょうか?

 

山梨医大献体についての情報です。

https://www.med.yamanashi.ac.jp/igakubu-3/dedication

 

献体を希望される方が亡くなられた場合、最終的にご遺体を大学に引き渡すかどうかを決めるのはご遺族です。したがって、せっかくご本人が献体を希望されても、ご家族全員のご賛同が得られなければ献体はできないことになります。

・本学の場合、学生の解剖学実習は9月~翌年1月まで実施されます。また、ご遺体をお預かりしてから実習に供するまでに3ヶ月以上の防腐期間が必要です。お預かりする時期によって多少お預かりする期間も変わってきます。長い間ご遺体をお預かりすることは心苦しいことですが、通常1年半~2年とお考えください。

 

長崎大学の余光会についての記事です。

https://nordot.app/367111901894788193

・自分の遺体を解剖実習のために提供する献体」の登録者が増えている。背景には、最期まで充実した生を送りたいという「終活」意識の高まり、死生観の変化、核家族化などの要因がある。長崎の事情はどうなのか。
・長崎大医学部にある篤志献体団体「余光(よこう)会」によると、献体登録した累計会員数は2759人。そのうちこれまでに986人が実際に解剖された。現在の生存会員は1227人(今年3月末現在)。会員数は年々増え続けていて、25年間で倍近くになった。

どこの大学も献体登録して頂くのに苦労しているかと思ってましたが、長崎は違うんですね。
献体登録が多いことに加え、認知症かつ詳細を知る遺族がいないので、8年保存される事になったのでしょうか?
いずれにしろ、特殊ケースのようですね。
 
今後は解剖実習前には必須の検査になるんでしょうか?
昨今どこの大学も予算不足で大変みたいですが。
認知症の方の御登録をはずさせて頂けばよいのかもしれませんけど。