Q21. やけどについて教えて
はい、こんにちは。
早速調べてみましょう。
Cleaveland ClinicからBurnsです。
やけどを普通に変換すると「火傷」ですが、医学用語では「熱傷」ですね。
熱傷とは?
熱傷は、熱、化学物質、日光、電気または放射線が皮膚組織を損傷したときに起こります。熱傷のほとんどは、偶然に起こります。熱傷には様々な程度があります。熱傷は痛みを伴うことがあります。やけどを放置すると、感染症になる可能性があります。
熱傷はよくあること?
毎年50万人近くが熱傷で救急外来を受診しています。子どもは熱傷のリスクが高いです。毎日、300人以上の子どもが熱傷の緊急治療を受けています。
よく、お湯をこぼして受傷します。たいてい軽くてすぐなおるんですが。
日焼けも熱傷の一種ですね。
どのような人が熱傷をする可能性がある?
熱傷事故は誰にでも起こる可能性がありますが、最も危険なのは子供、10代の若者、高齢者です。これらの年齢層は、沸騰した鍋の湯を皮膚にこぼすなど、調理による熱傷を負いやすい傾向があります。また、子供や10代の若者は、ライターやマッチ、花火などをいじったり、日焼けをしたりすることが多いようです。
お子さんは気をつけましょう。高齢者も一人で調理は危険かもしれません。
熱傷の種類
熱傷の程度は以下の通りです。
第1度熱傷:
軽度です(ほとんどの日焼けのようなもの)。皮膚の一番上の層(表皮)が赤くなり、痛みを伴いますが、通常、水ぶくれ(水疱)はできません。
第2度熱傷:
皮膚の表皮と下層(真皮)が侵されます。痛み、赤み、腫れ、水疱が生じます。
第3度熱傷:
表皮、真皮、脂肪の3つの皮膚層すべてが侵されます。また、熱傷によって毛根や汗腺が破壊されます。熱傷は神経終末を損傷するため、熱傷の部分には痛みを感じず、むしろ隣接する部分に痛みを感じることがあります。火傷した皮膚は、黒色、白色、または赤色で、革のような外観になることがあります。
1度、浅い2度は、(感染しなければ)痕は残らず治りますが、
深い2度は痕が残る可能性があり、3度になるとケロイドになります。
熱傷の原因
様々なものがあります。火、熱い液体、蒸気、熱い表面との接触を含む熱源は、最も一般的な熱傷の原因です。その他の原因としては、以下のものが挙げられます。
・セメント、酸、排水管洗浄剤などの化学物質
・放射線、電気、太陽(紫外線またはUVライト)
熱傷の症状
熱傷の重症度や程度によって異なります。熱傷をした後、数時間から数日間は症状が悪化することが多いです。次のようなものがあります。
・水疱
・痛み、腫れ
・皮膚の白色化または炭化(黒色化)
・皮膚の剥離
これらは皆様経験あるかと思います。痛いですね。
熱傷の分類
・軽症
体の10%未満の第1度または第2度の熱傷は、軽度とみなされ、入院の必要はほとんどありません。
・中等度
体の10%程度に及ぶ第2度熱傷は、中程度の熱傷と分類されます。手足、顔、性器などの熱傷は、中度から重度になることがあります。
・重度
体の1%以上を覆う第3度熱傷は、重症とみなされます。
面積を計測するのに、手掌法(手のひらの面積が全体の1%)、9の法則(成人)、5の法則(子供)というのを使ってだいたい評価します。
重症度分類は「Artの基準」というのがあります(上のと少し違いますが)。
熱傷の管理・治療
熱傷の治療は、原因や重症度によって異なります。すべての熱傷を清潔に保ち、傷の程度に応じて適切な包帯やドレッシングを施す必要があります。患者の痛みを治療することが重要です。
第1度熱傷:
熱傷の上から冷たい水をかける。氷は当てない。日焼けの場合は、アロエベラジェルを塗る。熱傷の場合は、抗生物質入りのクリームを塗り、ガーゼで軽く覆います。市販の痛み止めを服用するのもよいでしょう。
第2度熱傷:
第2度熱傷と第1度熱傷の治療法は似ています。医療機関は、細菌を殺すためにスルファジアジン銀などの銀を含む、より強力な抗生物質クリームを処方する場合があります。熱傷をした部分を高く上げると、痛みや腫れが軽減されます。
第3度熱傷:
第3度熱傷は、生命を脅かす可能性があり、しばしば皮膚移植が必要となります。また、血圧を安定させ、ショックや脱水を防ぐために、輸液を行う治療も行われます。
熱傷すると、氷やアイスノンで冷やすと思うのですが、冷やしすぎると血管が収縮して患部に良くないので、水道水、ぬれタオルのほうが良いみたいです。気をつけましょう。
救急では、皮膚の刺激性が少ない軟膏を良く処方しますが、
塗るとき押しつけないと広がらないので痛いし、クリームのほうがいいのかも。
海外では、軽い熱傷にはステロイドより保湿/抗生剤を使うんですね。
アロエゲルは楽天とかでも売ってますね。
子供のころは庭のアロエ貼り付けたことありましたが、効いてたのか定かではない。
熱傷の合併症(第3度熱傷)
深くて皮膚の大部分が侵された第3度熱傷は、非常に深刻で、生命を脅かす可能性があります。第1度や第2度の熱傷でも、感染して変色や瘢痕ができることがあります。
第3度熱傷の可能性のある合併症は以下の通りです。
電気火傷による不整脈(心拍数の乱れ)、脱水症状、傷跡の変形や拘縮
浮腫(組織内の過剰な水分や腫れ)、臓器不全、肺炎
ショック状態に陥るような深刻な血圧低下(低血圧)
切断や敗血症に至る可能性のある重度の感染症
若いとき、三次救急でほぼ全身3度熱傷の方を受け持ったことがありますが大変だった記憶あります。
火事とか感電等が原因なので、日常的には起こりにくいかと思います。
熱傷を防ぐには?
熱傷のリスクを減らすために、以下の対策をとることができます。
・日焼け止めを塗る。
・家庭の温水器を華氏120度(摂氏48.9度)以下に設定する。
・シャワーやお風呂は、入る前や子供を入れる前に必ずお湯を試す。
・化学薬品、ライター、マッチは鍵をかけましょう。
・調理中はできるだけコンロの奥の方を使い、鍋やフライパンの取手はぶつからないところに回し、コンロから離れないようにしましょう。
・ストーブなど高温のもののそばにいるときは、子どもを抱っこしない。
・暖炉の周りには安全装置を設置し、絶対に子供を放置しない。
・煙探知機を設置し、定期的にテストする。
・消火器を備え、その使い方を知っておく。
・コンセントをカバーする。
49度って結構、熱い気がしますが。
お風呂に飛び込まない。調理中は集中する。
火事に気を付ける。子供は信用しない、ってとこでしょうか。
熱傷の予後は?
適切な治療を受ければ、ほとんどの第1度、第2度の熱傷は2~3週間で治ります。
熱傷の程度によっては、瘢痕が残ることがありますが、時間とともに消えていきます。第3度熱傷から回復した人は、関節の可動性を維持し、機能を向上させるために理学療法や作業療法が必要です。熱傷の後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病を発症する人もいます。
以下のような場合は、医療機関を受診してください。
・手、足、顔、性器に熱傷がある場合。
・2週間経っても改善されない熱傷。
・水ぶくれができる。
・激しい痛み。
・発熱、黄色や緑色の分泌物、またはその他の感染症の兆候。