Q17. サル痘ってなに?
はい、こんにちは。
さっそく調べてみましょう。
今回はCDCからMonkeypoxです。
サル痘とは
サル痘は、サル痘ウイルスの感染によって起こるまれな病気です。
サル痘ウイルスは、オルソポックスウイルス属に属します。
オルソポックスウイルス属には、天然痘の原因となるバリオラウイルス、天然痘ワクチンに使用されるワクシニアウイルス、牛痘ウイルスも含まれます。
もともと天然痘患者の水疱からとった物質を傷口にすり込んで免疫を得ると言う方法は、アラブ、トルコなどで行われていましたが、重い天然痘にかかる副作用があったそうです。
ジェンナーが、牛痘を使用人の子供にうって実験した話は有名ですね。
他にも、その論文は最初全く世間から相手にされてなかったり、接種したのは牛痘ではなく馬痘だったとか、いろいろ裏話があるようです。
サル痘は、1958年に研究用に飼育されていたサルで初めて発見され、「サル痘」と呼ばれるようになりました。
1970年コンゴ民主共和国で人類初のサル痘患者が記録されました。
アフリカでは、サル痘に感染すると10人に1人が死亡すると言われています。
アフリカは平均寿命が短かったり、医療アクセスが不良なので死亡率高いんでしょうか?
症状
ヒトの場合、サル痘の症状は天然痘の症状と似ていますが、それより軽いとされます。
サル痘は、発熱、頭痛、筋肉痛、疲労感で始まります。
天然痘とサル痘の症状の主な違いは、
サル痘はリンパ節が腫れるのに対し、天然痘は腫れないことです。
サル痘の潜伏期間は、通常7-14日ですが、5-21日の場合もあります。
症状は軽くすむみたいです。リンパが腫れるとのこと。
発疹
次のような経過をたどって消退します。通常、2-4週間続きます。
(発熱後1-3日で発疹が現れ、顔から全身に広がっていくことが多い。)
黄斑 → 丘疹 → 小水疱 → 膿疱 → かさぶた
あとが残るのが気になりますね
感染経路
サル痘ウイルスは、感染動物、感染者、ウイルスに汚染された物質からウイルスに接触することで感染します。
母親から胎児に胎盤を通過することもあります。
感染した動物に噛まれたり引っかかれたりすることで、感染する可能性があります。
また、感染者の体液や皮疹に直接触れたり、体液や皮疹に触れた衣類などに触れることでも感染することがあります。
サル痘は主に感染性の皮疹、かさぶた、または体液との直接の接触により広がります。
また、長時間対面していた場合、呼吸器の分泌物によって広がることもあります。
セックスを含む親密な接触や、キス、抱擁、発疹ができた部位を触るなどで広がる可能性があります。
他人との親密な接触を避けるべしとのこと。
感染を防ぐ対策
感染した患者を隔離する。
感染した動物や人と接触した後は、手指の衛生管理を徹底する(石鹸と水で手を洗うか、アルコール消毒を行う)。
患者の世話をするときは、個人用保護具を使用する。
これらは、新型コロナでもう一般的に行われていますね
治療を検討すべき症例
サル痘ウイルスに感染した人の多くは、軽症で定型的な経過をたどります。
以下の方は治療が必要になります。
・重い病気を有する患者(例:出血性疾患、敗血症、脳炎など)。
・免疫不全のある人(AIDS、白血病、悪性腫瘍、移植治療後、免疫抑制剤治療中など)。
・自己免疫疾患を有する場合。
・小児患者、特に8歳未満の患者。
・妊娠中または授乳中の女性。
・二次的な細菌性皮膚感染症、重度の吐き気・嘔吐、下痢、脱水を伴う胃腸炎、気管支肺炎、などの合併症を有する人。
ワクチン
米国食品医薬品局からサル痘の予防薬として承認されている弱毒性生ウイルスワクチンJYNNEOS (IMVANEX, IMVAMUNE)があります。
先月、2019年に天然痘とサル痘に対し承認されたJYNNEOSの国家備蓄を放出するとの報道がありました。
旧型の天然痘ワクチンACAM2000はワクシニアウイルスが感染する可能性(生ワクチンなので当然ですが)、心筋炎の副作用も有るそうです。
なし崩し的に、また、全員接種なんてことにならなければいいのですが。
サル痘の治療薬
現在のところ、サル痘ウイルス感染症に対する特別な治療法は承認されていません。
戦略的国家備蓄により、以下の治療法が検討できます。
①Tecovirimat(TPOXX): 米国で承認された最初の抗ポックスウイルス薬。
米国食品医薬品局は、first-in-class (画期的新薬)とみなしている。
②Cidofovir(ビスタイド):主にエイズ患者におけるサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎の治療薬として使用されている抗ウイルス剤。
③Brincidofovir(Tembexa): 天然痘の治療に使用される抗ウイルス剤。シドホビルのプロドラッグである。
④ワクシニア免疫グロブリン静注用(VIGIV): 日本では、昭和51年ごろまでは流通していたが、現在、国内では流通していないそうです。
TPOXXがよさそうですが、日本ではまだ承認されていないようですね。